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ファイルメーカー(FileMaker)って、もしかして時代遅れ?それでも僕が使い続けるワケ

最近、思うんです。「ファイルメーカーって、もう古いのかな」「これからますます選ばれなくなるのかな」って…。
検索ワードでも「ファイルメーカー 時代遅れ」なんて出ることがあります。その辺のことを、ファイルメーカーで飯を食っている僕なりに考えてみました。


Index
  • 僕がファイルメーカーを使い続ける理由
  • よくある誤解
  • こんなものが作れちゃう
  • AI や SaaS の時代の波
  • ファイルメーカーを選び続ける幾つかの重要な要素
  • それぞれの強みと弱み
  • まとめ



僕がファイルメーカーを使い続ける理由

余談:お客様へのミスリードが起きないように気を配りますが、これがなかなか大変なことでして。アドバイスとともに一緒に作ってみたら、実は作業フローが違っていた、作り方を見直す必要が出た、そんなことが起こります。とにかく常に常にお客様の目線と思考を持つように自分を律します。

さて、なぜ僕は長年ファイルメーカー (FileMaker) を使い続けているのだろう?とふと思うわけです。
究極なところまで絞ってみると至ってシンプルな理由が浮かびます。

「面白いから」

身も蓋もない理由ですが・・・、でも面白いのだから仕方ありません。
僕はもともと工夫が大好きな人間です。(昔「冒険野郎マクガイバー」というアメリカのアクションドラマにハマっていたくらい好きです)

ファイルメーカーは自分で工夫ができる、だから面白いのだと思います。


ファイルメーカーを "なにか" に例えると

ファイルメーカーに備わった機能が「モーター関連の部品」だとすると、それらの部品を使って三輪車も作れるし、スポーツカーだって自分の腕とアイデアで作れます。(分かりづらい例えかなあ⋯)


ファイルメーカーに備わった機能が「食材」だとすると、自分の腕とアイデア次第で田舎の家庭料理も作れるし、料亭の懐石料理も作れます。(少しマシな例えかな⋯)


・入力しやすく、見やすく作ることができる画面
・ミリ単位で調整できた印刷・PDFレイアウト
・何ステップもあるデータ更新をボタン一発で!
自分で作って、それが思い通り動いてくれると、やっぱり面白いのです。


よくある誤解


ファイルメーカーは 1985年頃に登場した歴史のあるデータベースソフトです。
そのため「カード型でしょ?」と今だに仰る方がいると聞いて驚きます。
当初は確かに「カード型」でスタートしましたが、今やリレーショナル・データベースとして、とっくの昔に「カード型」を卒業しています。


自在なリレーション

視覚的にドラッグでフィールド同士を繋ぐことができます。
そして、かなり複雑なリレーションにも対応できます。
※但し、独特な性質を理解しないと管理コストが上がるので注意です。適当にリレーションして後々修正できなくなった事例も多々あり。



画像・動画・PDFなどを格納できる先駆者としての存在

データベースに画像や動画を格納し、その状態で再生もできてしまいます。
昨今では Web データベースで出来るものも増えてきました。
しかしファイルメーカーは "他のファイルを格納できる" 先駆者として君臨するソフトだと思います。
1レコードに画像や PDF を表示できるのはなかなか凄いことです。(容量肥大には注意)



どんな環境にも対応

Windows、Mac、iPad, iPhone といったマルチデバイスによる情報共有が可能です。
また、FileMaker Cloud、FileMaker Server を契約して使えれば Web 経由での情報共有も可能です。
さらにオフライン環境でも使えるため、工夫次第であらゆる状況に対応できるのは強力です。



API 連携も AI も

「カード型」しか知らない方には驚く進化かもしれません。
API を使えば他のシステムともシームレスに連携できます。
用意された関数を使うか、Claris Connect を使う選択肢もあります。
そして AI にも徐々に対応しつつあります。(まだ道半ば)
もう「カード型」という概念は捨ててください(笑)


*Claris Connect の Web 管理画面



こんなものが作れちゃう


ファイルメーカーではこんなものが自作できちゃいます。

・請求書を PDF に出力できちゃう。決まったフォルダに保存できちゃう。(やろうと思えばメール送信までできちゃう)
・未発行書類データを検出してアラート通知できちゃう。
・紐づくデータの集計を出せちゃう。
・画像を格納しておいてタイトルやファイル名で検索できちゃう。
・たくさんのデータをワードで絞って選択できるようにできちゃう。
・iPhone で撮影したレシートを OCR でテキスト文字化してデータ格納できちゃう。
・iPhone の位置情報を取得してデータ格納できちゃう。

無料のサンプル「ki録sシリーズ」はこちら [↗]


自分の腕とアイデア次第で…。

個人的には、「ファイルメーカー1つあれば、業務のデータ管理はほとんど網羅できる」と思っています。(最近では他のツールとの「組み合わせ」機能も充実してきて更に網羅が広がった)


ファイルメーカーは昨今、ちょっとした小規模な使い方だとコストパフォーマンスが良いとは言えない印象です。
でも、ある程度の人数や、ある程度のボリュームの使い方になると、小さな会社や店舗などにとっては非常にポジティブだと感じます。


AI や SaaS の時代の波

そんな面白い(と個人的に思っている)ファイルメーカーってやつは、やはり弱点もあります。
一つひとつ自分の手でデータベースを組み立てる必要があるのです。

世の中に目を向ければ、場所や時間にとらわれない SaaS 型の業務システムが(kintone や Salesforce のような)成熟しています。
また、今はいろんな AI が驚異的な力を発揮してきています。

ファイルメーカーは AI のように全自動とはいかず、地味に手間をかけて作るので時代遅れに感じられる場合があるかもしれません。
※ なお、2025 年現在のファイルメーカーには AI に関する機能も続々追加されています。


進化し続ける AI や SaaS

例えば、これまで検索で得ていた調査を AI に置き換えたり、データの生成も任せたりしていませんか。
SaaS はインターネットがあればどこからでもアクセスできます。
時代が進めば技術も進み、これらもどんどん進化していきます。


マイナス面はあるのか

AI は過去のデータから未来を予測するのに優れていますが、まだ見ぬ新しい課題や、突発的な状況の変化への対応は得意ではありません。
SaaS は情報共有に優れていますが、自社の独自の業務フローに合わせて細かくカスタマイズするには限界があります。


それでも進化は止まらない

それでも AI や SaaS は、これからのビジネスにおいて不可欠な要素になるでしょう。
大量のデータを高速に処理したり、パパッ、と簡易的には必要十分なシステムを展開できます。
しかも、これからますます技術革新が起き、進化し続けるはずです。

ただ、それでも僕がメインでファイルメーカーを選び続けるのは、それらのツールでは満たせない幾つかの重要な要素があるからです。


ファイルメーカーを選び続ける幾つかの重要な要素


「手作り」であることの自由度と柔軟性

ちょっと特殊な業務フローや、きめ細かな要望にジャストフィットできるのが大きなメリットです。

SaaS は汎用的なニーズに合わせて設計されており、必ずしも全ての業務にフィットするとは限りません。多くの場合、用意された範囲内での設定変更にとどまります。
「あとこの項目が追加できたら…」「この処理をもう少しこう変えたい…」といった、細やかな現場の声に応えるのは難しいです。

その要望にスピーディーかつ柔軟に対応できるとすれば、やはりファイルメーカーだろうと強く感じます。
自分たちで細部まで作り込めるツールはファイルメーカーの他には無い、と断言できます。(その分、作り込むのが難しいこともありますが)


「面白い」が繋ぐ、現場との深い共感と業務改善

ファイルメーカー作りはまるで職人のように、自分の手で「これから役に立つもの」を作り上げている感覚になります。

お客様と目の前の課題を分析し、必要な機能や画面構成を考えます。
それを一つひとつ組み上げていって、解決していく。
このプロセスそのものが、僕にとっては非常に面白いものとなっています。


そしてこの「面白い」という感覚は、単に個人的な満足感に留まりません。
自分たちで作ったシステムだからこそ、現場の担当者の目線で、本当に使いやすいように工夫することができます。

例えば、製造業では細かな指示書が何種類もありました。それを既存のエクセル印刷と見た目を変えずに、印刷の仕組みを FileMaker で構築することができました。

また、服飾修理の店舗では、お渡し日や決済手段項目、金額といった各項目の入力漏れアラートを付けました。しかもそれは入力者の性格に合わせたオリジナルな調整です。

これらは手作りならではの大きな価値と結果だと感じています。


「人」が介在する

上記のいずれも、「人」が介在します。
AI の回答やデータだけの SaaS とは違い、血の通った「想い」が宿ります。(ちょっとカッコイイ言い方ですが)

・現場の細やかな要望の「声」を反映。
・開発者の想いや創造性が宿る血の通ったシステム。時に起こるバグも人間らしさがある。
・使う人同士、顔が見える距離感で改善が行われる。
・自分たちでシステムを「育てる」意識は、気持ちを主体的でポジティブにする。




それぞれの強みと弱み


小さな会社や店舗においては、必ずしもファイルメーカーが最適というわけではありません。
同様に、AI や SaaS が必ずしもベストとは言えません。
それぞれの強みと弱みを理解して取り入れることが大事だと思います。


ファイルメーカーの強み・弱み


強み⬆️
  • 細部まで自由に構築できる柔軟性。
  • 現場の声を細かく即時に反映。
  • 内製化で成長&ITスキル向上。
  • 変化に対して迅速な対応&改善。
  • 人が介在する血の通ったシステム。
弱み⤵️
  • 高度な機能は難易度が上がる。
  • システム肥大化で属人化の懸念も。
  • 最新技術への対応に時間がかかる。
  • システム内容は制作者レベル次第。


AI や SaaS の強み・弱み


強み⬆️
  • 最新機能が自動アップデート。
  • 短期間導入、仕様検討不要。
  • オプションで機能追加可能。
  • ベンダーが最新技術を導入可能。
弱み⤵️
  • 独自のニーズに合わない場合あり。
  • 利用規模でコスト増の可能性。
  • ベンダーに依存する可能性あり。
  • クラウド保管に懸念がある場合も。

比較はしてみましたが、結局のところ「自分たちが本当にやりたいこと」に合わせて最適なツールを選ぶことが大切ですね。
そのためにまずは、自社のビジネスの規模や特性を整理することかもしれません。
そうすればどんなツールがマッチするのか、選択の判断基準になります。



まとめ


この記事を通して思ったことがあります。
業務効率化やコスト削減も大事ですが、何より気分良く仕事をしたいじゃないですか。
画一的なツールで業務効率ができても、それがイコール「仕事が面白い」とは言えませんよね。

AI も SaaS もファイルメーカーも、仕事をするための「ツール」です。
だったら、面白い「ツール」を自分で磨きながら使うほうがいいよなあ、というのが個人的な感想です。
最初の作るところは、少し大変ですけどね😉(運用が開始できれば徐々にラクになってきますよ)

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今日も良い一日を♪










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