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【超初心者向け】FileMakerでスマートフォン(スマホ)を使ったシステムやアプリを作れるって本当?

*本サイトの【初級・中級・上級】の定義はこちらのページで定義しています。




昨今のシステム・アプリ事情として、スマートフォン(以下、スマホ)を使えるかどうかが判断基準になることも多いです。

JBI にご相談されるお客様も、スマホやタブレットで操作することを前提としたケースが増えてきた印象があります。

そこで本記事ではスマホを使ったシステムやアプリを作れるかどうかについて書いてみます。


※超初心者向けに書いたつもりでしたが、書いてみると結構難しい内容になってしまいました・・・。ごめんなさい・・・。
もしかしたら、こちらの Youtube 動画のほうが何かヒントになるかもしれません。

↑↑ クリック ↑↑


このページでは次のような内容が書かれています。
  • FileMaker でスマホを使ったシステムやアプリを作ることは可能
  • iPhone でデータ管理するまでの大雑把な流れ
  • iPhone でデータ管理するには
  • FileMaker で iPhone サイズの画面を作るのは意外と難しい
  • スマホで情報共有するには結局コストや手間がかかる
  • まとめ

FileMaker でスマホを使ったシステムやアプリを作ることは可能

結論から言うと、FileMaker でスマホを使ったシステムやアプリを作ることは可能です。
ただし、次のような制約や留意事項があります。


① 画面を作るにはパソコンが必要(MacまたはWindows)。かつ、FileMaker アプリケーションも必要。
② スマホは Apple 社製の iPhone または iPad が大前提(iPod Touchも可)。FileMaker Go というアプリを使う。
③ ライセンス契約の種類によって iPhone でのデータ管理方法に難易度の差が出る。
④ Google 社製の Android スマホは基本不可。但しチーム向けライセンス契約すればブラウザでデータ管理可能。


ではそれぞれ見ていきます。

①画面を作るにはパソコンが必要(MacでもWindowsでもOK)。かつ、FileMaker アプリケーションも必要。


大前提として、スマホ用の画面を作る必要があります。そのためには FileMaker アプリケーションがパソコンにインストールされていないといけません。
とはいえ、Windows と Mac のどちらも対応しているのは FileMaker の強みです。

アプリケーションはパソコン用に1つずつ購入することも出来ますし、チーム向けライセンス契約で複数人分のパソコン用アプリケーションを手に入れることも出来ます。(5ユーザ以上から購入可能 *2022年時点)


②スマホは Apple 社製の iPhone または iPad が大前提(iPod Touchも可)。FileMaker Go というアプリを使う。



FileMaker をスマートに利用するには「FileMaker Go」というアプリを使います。それは iPhone や iPad といった Apple 社製の端末にのみ対応しています。


FileMaker の提供元である Claris 社は、実は Apple の子会社です。背景にはそういった事情もあるのだと思います。


③ライセンス契約の種類によって iPhone でのデータ管理方法に難易度の差が出る。



少し残念なことに、iPhone でデータ管理するにはひと手間必要になります。

それは複数人で使う想定の「チーム向けライセンス」か、 FileMaker を一つずつ購入する「シングルライセンス」かで、方法も難易度も変わってきます。

この辺は後述の「iPhone でデータ管理するには」で詳しく書いてみたいと思います。


④Google 社製の Android スマホは基本不可。但しチーム向けライセンス契約すればブラウザでデータ管理可能。



Android スマホは直接 FileMaker を扱うことは出来ません。代替手段が必要です。それはブラウザを使う方法です(インターネット環境が必要)。

チーム向けライセンスを契約すると、「WebDirect」という機能がもれなく付いてきます(FileMaker のセキュリティ設定が必要です)。

WebDirect はインターネットを経由してブラウザページに FileMaker の画面を出すことが出来ます。完全に同じとはいきませんが、Web ページ上で FileMaker を操作出来るようになります。Android スマホではそのような方法によりデータ管理可能です。



iPhone でデータ管理するまでの大雑把な流れ

本記事では iPhone によるデータ管理を想定して書いてみます。(※iPad、iPod Touch は iPhone と近いので割愛、Android スマホも割愛します。)




さて iPhone でデータ管理するまでには何をする必要があるでしょうか。本記事では大雑把な流れで書いてみます。

iPhone でデータ管理するにはパソコンにインストールされた FileMaker で "ファイル" を作る必要があります。

例えば、顧客管理.fmp12 のようなファイルです。FileMaker のファイルは拡張子が「.fmp12」です。FileMaker Pro 12 のバージョンからそうなりました。



顧客管理.fmp12 ファイルはパソコンでは FileMaker アプリケーションで開くことができ、iPhone では FileMaker Go アプリで開くことができます。

そのファイルを起動すると、データを入力する、データを閲覧する、データを検索する、といったことが出来る画面が表示されます。表示されるというよりも、表示されるように作っていきます

Excel は最初から表形式のような画面が出来上がっていますが、FileMaker ではまっさらな画面に一つ一つ Web ページを作るように部品を配置していきます。少しパソコンでの使用を考えてみます。



画面の作成は本当に自由度が高く、請求書や見積書などのような細かな仕様の画面も作ることが出来ます。

FileMaker はデータベースなので、データを日々入力して蓄積していくのが重要な役割の一つです。蓄積したデータを検索し、ソートし、必要に応じてデータを更新・編集して業務はシステム化されていきます。




パソコンだけを使うならここまでです。


iPhone でデータ管理するには

さて、iPhone でデータ管理するには、ここからライセンス別に考慮する必要が出てきます。引き続き、顧客管理.fmp12 を例に書いてみます。


◆チーム向けライセンスを契約した場合
◆アプリケーションを一つずつ購入する「シングルライセンス」の場合



◆チーム向けライセンスを契約した場合


<1>
FileMaker Cloud または FileMaker Server を利用することになります。それぞれの詳細はここでは割愛しますが、どちらも基本的にはインターネットに繋がっていることがほとんどです。

<2>
パソコンの FileMaker で作成した顧客管理.fmp12 を、FileMaker Cloud または FileMaker Server にアップロードします。

「アップロード」というだけに、FileMaker Cloud や FileMaker Server はいわゆる「サーバー」というものです。サーバーとは「提供する側」「ホスト」というものであり、データの元になるものです。

極端な例で言うと、雲の上に拠点となる衛星を浮遊させておくイメージでしょうか。

<3>
アップロードすると、FileMaker Cloud または FileMaker Server に顧客管理.fmp12 が置かれます。衛星の例で言えば、顧客管理.fmp12 が雲の上の衛星に設置されるというイメージです。

データ管理をする人は、iPhone に FileMaker Go アプリをインストールし、アプリによって衛星の顧客管理.fmp12 にアクセスします。

データはすべて、アクセスした衛星の顧客管理.fmp12 に格納されます。データの追加も編集も削除も、インターネットの通信によって行われることになります*。
*FileMaker Server は、インターネット経由をしない、社内LANによる内部的な使用も可能です。

これでインターネットがあればいつでもどこでも iPhone によるデータ管理が出来ます。



付随情報として、チーム向けライセンスでは複数人での共有が可能です。

前述の通り、データは衛星側の一箇所に集まり、ほぼリアルタイムに更新されます。よってライセンスを持つ他の人もすぐに更新されたデータを見れます。

複数人が同時に iPhone で雲の上の衛星にアクセスしているとイメージしてみて下さい。





このようにチーム向けライセンスであれば、顧客管理.fmp12 をアップロードするだけで複数人での共有が可能になります。
※アップロードの際には各種のセキュリティ設定をする必要があります。



【重要】
チーム向けライセンスは、超初心者の場合はクラウド上にアップするまでが結構ハードルは高いです。画面制作(ファイル制作)・クラウド管理・ユーザ管理をこなさないといけませんので。



◆アプリケーションを一つずつ購入する「シングルライセンス」の場合


では、シングルライセンスの場合はどうなるでしょうか。

2つの方法が考えられます。



①顧客管理.fmp12 を iPhone に送って、iPhone だけでデータ管理する。
②ピア・ツー・ピア共有機能を使ってパソコン上の顧客管理.fmp12 に iPhone でアクセスする。(制限あり)


①顧客管理.fmp12 を iPhone に送って、iPhone だけでデータ管理する。


パソコン上で作った顧客管理.fmp12 をどうにかして iPhone に送ります。どうにかしてというのは、例えば Mac であれば AirDrop が便利です。

Windows だとクラウドストレージに一旦ファイルを置いて iPhone でそれをダウンロードするとか、メール添付で送るという方法も考えられます。(顧客管理.fmp12 にはアカウントとパスワードを設定しておいた方が安全です。というか設定して下さい。)

iPhone にダウンロードできたら、そのファイルを「共有」によって FileMaker Go で開くことでデータ管理することが出来ます。






注意点としては、データは iPhone 内の顧客管理.fmp12 のほうに格納・更新されていきます。パソコン上の顧客管理.fmp12 とは完全に別ファイルという点が要注意です。


また、容量にも注意です。
FileMaker は画像を格納することも出来ますが、画像を大量に格納すると顧客管理.fmp12 のファイルサイズも大きくなり、iPhone の容量を圧迫することになります。




この①の方法で厄介なところは、アプリの画面を修正したり機能の改善をする時です。iPhone の顧客管理.fmp12 をパソコンに一旦送る必要があるのです。

理由はパソコン上の FileMaker じゃないと顧客管理.fmp12 ファイル自体を修正・改善できないからです。

無事に修正・改善できたら、今度はそのファイルをまた iPhone に送らないといけません




業務の用途によっては、①の方法は大変な手間がかかる可能性があるのです。※高度に作り込めばボタン一つで出来ますが、超初心者の場合はプロの力を借りないと難しいかもしれません。



②ピア・ツー・ピア共有機能を使ってパソコン上の顧客管理.fmp12 に iPhone でアクセスする。(制限あり)


パソコン上の FileMaker で起動している顧客管理.fmp12(ホストと呼ぶ)に iPhone でアクセスする形でデータ管理を行う方法です。上の例で言えば衛星を超小型にして手元に置き、そこにアクセスするイメージでしょうか。

ピア・ツー・ピアと呼ばれる共有方法で、Wi-Fi を使ったかなり手軽な方法です。やり方さえ知れば、大抵は何とかなります。

が、残念ながら公式では「 "テスト目的" で使用して下さい」という注意喚起があります。

理由はセキュリティ上の問題が主で、悪意を持った第三者が通信を傍受できてしまう可能性があるためです。よって自己責任での使用が必須となります。

その他も含め、②の方法で気をつけるべき点を留意事項でまとめておきます。


【留意事項】
  • パソコン上の顧客管理.fmp12(ホスト)を起動しておく必要がある。
  • パソコンのファイアウォールを設定する必要がある。
  • パソコンと iPhone が同じ LAN・Wi-Fi 内にいる必要がある。(つまりピア・ツー・ピア共有方法では、外出先からデータ管理することはできない)

FileMaker で iPhone サイズの画面を作るのは意外と難しい

では、ほんの少し FileMaker による画面作成の部分を実際に見てみましょう。


「iPhone:320✕460(縦)」の画面の大きさと、「iPad:768✕916(縦)」「iPad:1024✕660(横)」の大きさ(横幅)を比べてみます。



iPhone 画面は特に横幅が小さいのです。



実は iPhone サイズのレイアウトを作成するのはけっこう難易度が高いです。小さい画面の中に情報を収めなくてはならないからです。

無駄なく、必要最小限のデータ枠を配置しなければいけません。さらには、適切な画面遷移の仕組みや構成を考える必要もあります。

アプリを使うのは自分かもしくは社内の人になるでしょう。その人たちが「見やすい」「使いやすい」とならなければ、業務効率が逆に非効率にさえなってしまいます。



このように iPhone 画面は難易度が高いため、JBI ではまずは iPad 横または縦の画面で作ることをオススメしています。

作成側からすると、iPad サイズの画面は大きさに余裕があるので作りやすいです。

使う側からでも、iPad サイズの画面であれば、iPhone でも充分使える場合が多いです。スクロールもそれほど苦にならないですし、ピンチを使って表示を大きくすることも出来ます。

iPad のサイズで作るのは、最初のうちは悪くない選択肢かと思います。



スマホで情報共有するには結局コストや手間がかかる


上記の「iPhone でデータ管理するには」でも書いていますが、FileMakerによるスマホの情報共有はなんだかんだで手間やコストがかかります

特に次のことが当てはまる場合には「◆チーム向けライセンスを契約した場合」のライセンスが必須になってきます。
  • 社内だけでなく外出先でも情報共有したい。
  • 6人以上が "同時に" 接続することがある。(ピア・ツー・ピア接続は同時5接続まで)
  • ブラウザによる情報共有をしたい。



これらの場合には、「Cloud (チーム向け)」または「オンプレミス (チーム向け)」の契約(購入)が必要です。(他に同時接続ライセンスもある)
*Claris社のストア→https://store.claris.com/



ライセンスのコストがかかることと、アプリ制作&アップロード&運用管理する手間がかかります。
(オンプレミスの場合は、これに加えてサーバー管理も必要になります)




手間の部分については、アプリ制作以外に次のようなことが発生します。
  • ファイルの管理(上限数や稼働ファイル把握など)
  • 容量の管理
  • バックアップの管理(特にオンプレミス)
  • サーバー状態やセキュリティの管理(特にオンプレミス)
  • 障害が起きたときの管理



「こうしたい」と思うことが多いほど、やはりコストや手間がかかるということですね^_^


まとめ


以上、FileMakerの超初心者向けにスマホでシステムやアプリによるデータ管理について書いてみました。




結論としては、FileMaker でスマホを使ったシステムやアプリを作ることは可能です。

ただし、そのためにはパソコンにインストールして使う FileMaker アプリケーションが必須です。

また、iPhone でデータ管理するにはライセンスによって難易度が変わってくるのと、情報共有する場合にはコストや手間がかかる、ということもご紹介しました。





今流行りのローコードツールやクラウドツールなどは、FileMaker と違って残念ながら決まったフォーマットの画面しか出来ないことが多いです。

その点で言えば、FileMaker は自由度の高さで大きなアドバンテージがあります。それは、スキルが上がれば上がるほど業務効率が進んでいくことを意味しています。

あなたが今ご苦労されている不毛な作業も FileMaker で解決されることを願っています!







今日も良い一日を♪





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Japan Bit Innovation

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