本記事の時点で FileMaker はバージョン 2026。
バージョンが進むにつれて AI 関連機能も進化しています。
しかし、本記事では「 FileMaker に AI を組み込む」難しい話をしたいわけではありません。
FileMaker に貯まったデータを AI に読ませて、経営判断や現場の気づき・改善に活かす、という現実的な話です。
Index
- FileMaker への AI 組み込みはハードル高い?低い?
- AI を使うために必ずしも FileMaker の改修は必要ない
- とはいえ、データが整っていないとスンナリいかない
- データの土台さえあれば、こんなことができます
- まとめと注意点
余談:日本人を含めて、多くは減点方式の考えを取っています。でも僕は加点方式が良いと考える派です。気の持ちようがまるで違ってくるからです。減点は減らさないようにという守りの意識が働き、加点はもう一つ取りに行こうという攻めの意識が働くからかもしれません。
FileMaker への AI 組み込みはハードル高い?低い?
「うちも AI を使わなきゃ」
「でもどう使えばいいんだ?」
そうお考えかもしれませんが、一方で
「大がかりな開発が必要?」
「専門的で費用もかかりそう」
「自分たちには判断できない」
そんなイメージで二の足を踏むかもしれません。
僕自身も最初はそう考えていました。
実際はどうなのだろうと、ある時に重い腰を上げて FileMaker への AI 組み込みを試みました。
試してみた感想としては、
「僕のメインのお客様である FileMaker 初級者の方にとっては結構ハードルが高そう」
というのが結論です。
というのも、FileMaker に AI 機能の組み込むには、次のことが必要になるからです。
・FileMaker のスクリプトや関数など一定以上の知識と技術が必要。
・API の基本的な仕組みを知っておかないとスムーズにはいかない。
・当然、AI 連携の概要もある程度は知っておかないといけない。
専門的な用語も多出しますし、現場の作業者が「ホイホイッ」と作れそうにはありません。
本来 FileMaker は現場の方でも作れるデータベースツールのはずです。
AI 関連の機能が増えたことで FileMaker 自体ハードルが上がった印象になっている気がします。
※ もちろん今でも基本部分は現場の方でも作れるツールです。
といったことから、初級者の方に AI の組み込みは薦められないな、と思いました。
AI を使うために必ずしも FileMaker の難しい改修は必要ない
「まてよ、無理に組み込まなくてもいいのでは?」
そうです、組み込みが難しければ、別の手段を使えば良いと思います。
無理に FileMaker 側で作る必要はないです。
FileMaker には日々貯めているデータがあるじゃないですか。
それを出力して AI( ChatGPT、Gemini、Claude など)に単体で読み込ませれば良いのです。
「集計を出して」
「傾向を教えて」
「おかしな数字はない?」
これならすぐにでも使えそうな気がしませんか?
FileMaker 自体は今まで通り何も変える必要はありません。
まあ少しだけ、AI 向けのデータ出力ができるように手を入れる必要はあるかもしれません。
でも「エクスポート」すれば良いわけですから、難しく考える必要は一切ありません。
とはいえ、データが整っていないとスンナリいかない
AI にデータを投げて一番怖いのは "ハルシネーション" です。
間違った回答を出しているのに、「できました!」とドヤ顔で返すことがあります。(顔は見えませんが)
渡したデータ自体がガタガタだと、そうしたハルシネーションが多くなるかもしれません。
もちろん、ちゃんと忖度して良きようにデータを調理してくれる場合はあります。
ありますが、やはり整ったデータを渡した方が良いに決まっています。
なので、次のような状況がもしあれば、是正しておくに越したことはありません。
「備考」欄あるある
担当者Aさんは日付を入れる。別の担当者Bさんは金額を入れる。
さらに担当者Cさんは進捗状況を入れる。
ちゃんと入れる欄が無いため、無理やり備考欄に収める。
是正対策
備考を使う必要がないように、正式な項目を作ってあげる。※備考のほとんどは空欄という状態を作る(担当者の備忘録程度になるように)
数量や単位の書き方がバラバラ
ある人は数量に「 10 」とだけ入れる。別の人は「 10 個」と単位まで書く。
まさかの「 10pcs 」は外国籍の人。
是正対策
数量以外が入らないよう、システム的に制限したり、目立つ案内を出したり、気づく仕組みを作ったりする。ステータスが統一されていない
「完了」「済」
「 OK 」
どれも「終了」の意味だけどさあ・・・。
是正対策
プルダウンやラジオボタンによる選択式に変えるなど、決まった文字だけが入るようにする。もしガタガタのままデータを渡せば、集計がズレていたり、トンチンカンな回答が返ってくるかもしれません。
繰り返しますが、一番厄介なのは AI がもっともらしい回答をしてきたのに間違っていることです。
重要な指標で使うデータとして信頼性が無くなることは避けたいところです。
AI の精度と信頼を上げるためにも、上述のような是正を行うことは大変重要であると考えます。
データの土台さえあれば、こんなことができます
土台さえできれば、次のようなことが現実的に見えてきます。
売上や受注データから
・季節や曜日ごとの傾向を洗い出す・次月の仕入れの予測を出す
・人員配置の目安を出す
顧客対応やクレームの記録から
・よくあるトラブルのパターンをまとめる・初動対応の傾向を分析する
日報や作業記録から
・いつもと違う数字を拾って予期せぬ事態に備える・見落としがちな心身の異常な兆候に気づく
在庫と受注データから
・欠品が起きやすい時期をまとめる・過剰在庫が起きやすい時期を見つける
これらは既に入力されているデータを出力して AI に渡し、尋ねるだけです。
指示の仕方にもよりますが、当然データが整っているほどに精度は増すでしょう。
地味な話かもしれませんが、現実的だと思います。
地味な作業の積み重ね
・自由入力の項目を見直す(選択式にできないか?)
・誰がいつ入力したか、分かるようにしておく
・想定通りにデータを入れてくれているか随時確認する
・時々、変なデータが入っていないか確認する
こういったことも AI で出来れば良いのでしょうけど、今のところは人間が管理するのが早そうです。
あまり時間をかけてもいられない部分なので、少しずつ、少しずつ、で良いかと思います。
まとめと注意点
日々 FileMaker に貯めているデータが、どれだけ整っているか。
地味かもしれませんが、結局はここが重要だということですね。
これで AI を使っていくハードルが下がるかもしれませんが、注意点もあります。
AI を使う際の注意点
・社外秘のデータは絶対に AI に渡さない・個人情報に当たるデータは絶対に AI に渡さない
もし AI に社外秘・個人情報を送ってしまったら
慌てず、まずは AI に尋ねてください。「いま渡したデータは消去できますか?」
これでひとまずの対応策を教えてくれると思います。
ただ、やはり大事なデータは渡してはいけません。
その制御を FileMaker で作ることも検討して良いと思います。
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