「最近 FileMaker が重い…」
そんな状態になっていますか?
起動に時間がかかる、検索や集計でクルクル、レポートを開くたびにコーヒーカップがゆらゆら⋯。
「もう限界なのか?」「別のシステムに乗り換えか?」と頭をよぎるかもしれません。
そこで、確認できるポイントや改善のヒントを整理してみたいと思います。
Index
- どんな症状ですか?
- FileMaker が「重い」と感じるいくつかの要因
- 確認したい見直しポイント
- 改善しても速くならない場合
- まとめ
余談:自分の弱点を知るというのは大事ですよね。僕の弱点は「二の腕」。夏は冷房が効いたお店が多いですが、半袖でいると二の腕から恐ろしく冷気が体内に伝わることが分かりました。なので夏は七分袖にしています。七分袖にしてからは極端に身体が冷えすぎることがなくなりました。
どんな症状ですか?
「重い」と一口に言っても、その中身は様々です。
まずは今が次のどの状態に近いか確認してみてください。
- ファイルを開くまでに数十秒〜数分かかる
- 特定のレイアウトを開いたときだけ、極端に固まる
- 検索や絞り込みをするたびに、画面が真っ白になって待たされる
- レポートの印刷画面が出るまで極端に重い
- 月末や特定のタイミングだけ重くなる
「いつも重い」のか「ある場面だけ重い」のかを見分ける
この切り分けがとても重要です。
どのレイアウトでも常に重いのか、それとも特定のレイアウト・特定の操作だけ重いのか。
それによって、すんなり改善される可能性は充分期待できます。
FileMaker が「重い」と感じるいくつかの要因
FileMaker は、導入当初はだいたい快適に動くものです。
それが、年数が経つにつれて「重い」「遅くなった」という声をよく聞きます。
これにはもちろん原因があります。
データが増え続けている
運用年数が長くなるほど、レコード数もフィールド数も増えていきます。
導入したばかりの頃は数千件だったデータが、年数を重ねれば数万件〜数十万件になったりします。
データが少なかった当初の構造のままでは、単純に処理が追いつかなくなる場合があります。
二宮金次郎が背中に薪を背負っている銅像がありますが、あの薪が毎年毎年積み上がっていくイメージです。
増え続ける膨大な薪を背負っていては、徒歩の二宮金次郎にとって相当キツくなるのは必然です。
少しずつ機能を継ぎ足した結果
「とりあえずこの項目も出しておこう」「この集計もついでに表示しよう」
運用しながら少しずつ追加してきた項目やデータが、思わぬ負荷になることもあります。
一つひとつは小さな追加でも、データの組み合わせ次第では突然の動作遅延に繋がる恐れもあります。
ネットワークやサーバー環境の変化
物理的な要因もあります。
人が大幅に増えてアクセスが増えたり、ルーターの設定や別システムの影響でネットワークの遅延が発生します。
サーバー環境でも、なんらかの障害で処理能力が低下していれば FileMaker の動作遅延に直結します。
確認したい見直しポイント
ここでは、比較的確認しやすいポイントを 4 つご紹介します。
心当たりがあれば、小規模な対応で改善できる可能性が大いにあります。
別システムへの移行といった大掛かりな事態を回避できるかもしれません。
1. 大量のレコードが並ぶ一覧画面に、合計など集計的な項目が置かれていないか
例
10 万件のデータがある一覧画面のヘッダまたはフッタに、「合計金額」「件数」「平均」などの表示がある。この一覧を開くたびに、「集計中⋯」といったダイアログが出てくるでしょうか。
もしそうだとしたら、ヘッダやフッタにある集計値の項目を非表示にするだけで改善されるかもしれません。
必要に応じて表示される仕組みにすれば、ストレスから解放されます。
原因の可能性
「集計フィールド」というものを使用している可能性があります。この集計フィールドは、通常は非常に便利なものです。
ただ、レコード数が多くなったときは使い分けが重要になります。
2. 特定の項目が表示された画面だけ遅くなっていないか
例
「◯◯の結果」「合算値」など、特定の項目が表示されている画面だけ極端に遅い。他の画面では問題ないのに、特定の項目がある画面になるとなぜか重い、といったことがあるでしょうか。
その場合は上の「1.」と同様に画面から取り除くことで、一旦は解消される可能性があります。
ただ、その項目がどうしても必要な場合には、改善や見直しが必要です。
原因の可能性
FileMaker には「計算フィールド」というものがあります。そのフィールド設定を見たときに「非保存」という表示になっている場合は確認が必要かもしれません。
「非保存」というだけあって、画面にデータが表示された瞬間に計算が走る仕様になっています。
もちろん必要があって使うのですが、意図せず使ってしまっている場合や、計算がやたらに重い場合は要注意です。
3. 起動直後やボタン押下などで、毎回なにかが作動しているダイアログが出て待たされる
例
最初に起動した時、あるいは特定のボタン押下で「まだ更新されていないレコード数⋯」といった進行ダイアログが出て数十秒待つことが多い。何かのボタンを押した瞬間に、確認もなく何かの処理が始まるでしょうか。
これはすぐに対処できるかは分からず、調査を要します。
FileMaker の製作者があなたの周囲にいない場合は専門家に一度尋ねてみて良いかもしれません。
内容を調べないと分かりませんが、小さなコストで解決する可能性は充分あります。(その逆もありますが)
原因の可能性
この症状に限っては、「フィールド内容の全置換」という一括処理が確認なしに実行されていると考えられます。対象のレコード数が多いほど、この進行状況の表示が終わるまでの待ち時間が長くなります。
(当初のレコードが少ない頃は、気にならないほど処理がすぐ終わっていた)
これは製作者が必要を感じて取り入れた処理のはずです。
よって、どこにどう影響しているのかを調査しないと不具合に繋がるため、少し慎重な対処が必要です。
4. 小さな明細枠に数万件単位のデータが表示されていないか
例
小さな明細行の枠に時計マークが出て、グルグルまわったまま数分間データが見えない。データが見えさえすれば非常に便利な明細枠ですが、出てくれるまで待たされるのは遣る瀬ないです。
その画面では別に見えなくても良いデータも含まれている場合は改善の余地が充分あります。
適切にデータを絞ることができれば、表示も早くなるし必要な分だけ見えることで仕事の能率も高まります。
原因の可能性
その明細枠は「ポータル」という機能です。ポータルとは、条件にマッチさせて別の関連するデータ(紐づいたデータ)を一覧表示できる機能です。
一覧のデータが数万件、数十万件と大量の場合にそのような症状になることがあります。
これは言わば、「あなたの血液型はA型ですか?そうならばこちらへ並んでください」という感じです。
この問いかけを何万人、何十万人に行えば当然時間がかかるというものです。
その上、名前順に整列してもらうようなことになれば、更に時間がかかります。
改善しても速くならない場合
ここまでの見直しポイントを確認・改善しても、それでも思うように速くならない場合もあります。
- 見直しポイントを一通り改善しても、体感速度がほとんど変わらない
- データ量がこれからも増え続けることが分かっていて、今の作りでは追いつかない
- そもそも今の業務のやり方が以前とは大きく変わっている
こういったときにはどうすればいいでしょうか。
予算をかけられる場合
1.FileMaker 開発会社等の専門家への改修依頼を検討
やはり専門家に直してもらうことが手っ取り早いかもしれません。注意点は、改修費だけでなく事前の調査費もかかる可能性がある点です。
プロと言えど、いえ、プロだからこそ、システムの中身を調べてから手を入れます。
会社によっては調査費が大きく変わる場合があるかと思います。
弊社も含め、複数社の見積りや「取り組み方・考え方」を聞いてみて良いと思います。
2.システムの再構築を検討(FileMaker あるいは別システム)
特に、今の業務のやり方が以前と大きく変わっている場合には検討に値します。ただし、いくら FileMaker であっても再構築となると結構な予算も時間もかかります。
ましてや別のシステムへの移行ともなると色々なシナリオを用意しておく必要はありそうです。
予算をかけられない場合
1.FileMaker サポート会社等の専門家への依頼を検討
「教えてもらう」ような形で、専門家に一緒に中身を見てもらって直していく手段があります。自分たちでは手を出せなかった部分も、プロと一緒なら安心して一緒に修正でき、解決に至る可能性は高いです。
開発費用と比べれば、少ない予算で済む場合が多いです。
なお、依頼する先は「開発会社」ではなく「教える」ことができる専門家が良いです。
(開発会社の場合、どうしても「開発」が専門になってしまうからです)
2.自分たちでの解決を模索
FileMaker を展開している Claris 社では様々な学習コンテンツを提供しています。サイトでも動画でも、かなり豊富に用意があります。
また、開発会社や弊社のような人たちも様々なコンテンツを発信しています。
そういったコンテンツを元に、自分たちでどうにか解決できれば最も低予算で済むかもしれません。
ただ、「これを解決したい」というピンポイントなコンテンツを探すのは案外大変です。
半年~1年以上かけても良いという覚悟で臨むことが良いと思います。
まとめ
FileMaker が重くなったからといって、必ずしも「別システムへの移行」が唯一の解決策ではありません。
多くの場合、データ量の増加により構築当初の処理のフィット状況が変わっていったことが原因になっています。
まずは今回ご紹介したチェックポイントなどを確認してみてはいかがでしょうか。
この記事が解決の糸口になれば幸いです。
ちなみに JBI では「予算をかけられる場合」「予算をかけられない場合」両方に対応しています。
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今日も良い一日を♪
